板の途中へ四角い穴を開けたり、端を少しだけ切り欠いたりするなら、1台あると助かるのがマルチツール。
丸のこやジグソーでは刃を入れにくい場所も、細い先端工具を狙った位置へ当てて少しずつ切れる頼れる工具ですよね♪
でも、いざ木材を切ろうとすると、「刃はどこから入れる?」とか、「強く押しても進まないのはなぜ?」と、切り方に迷ってしまう方も多いはず。
材料を固定せずに始めたり、刃を力で押し込んだりすると、切り線から外れやすくなったり、思ったように刃が進まなかったりすることも。
そこでこの記事では、マルチツールで木材を切断する前の準備から、開口・切り欠きの手順、切れないときの確認ポイントまで詳しく解説します!
筆者は木工を本業とし、 マキタTM52D で合板・杉板・桧板・アカシア材などを切ってきました。
なかでも出番が多い開口作業の経験から、刃を当てる位置や押し付け方のコツもお伝えします♪
この記事を読めば、マルチツールの得意な木材切断が分かり、開口や切り欠きを落ち着いて進められますよ。
というわけでこの記事は、「マルチツールで木材を切断する方法!開口・切り欠きのコツを実機解説」について書きました。
この記事がおすすめな人
- マルチツールで木材を切れるか知りたい方
- 板の途中へ四角い開口を作りたい方
- 丸のこが入らない場所を切り欠きたい方
- 木材用替刃の選び方と押し付け方を確認したい方
- TM52Dを使った木工作業の経験を参考にしたい方
マルチツールで木材を切断できる?
マルチツールは、作業に合う木材用カットソーを取り付ければ、木材の開口・切り欠き・際切りに使えます。
先端工具が細かく振動して切り進むため、板の端だけでなく、切り始めたい位置へ刃を当てて切り込めるのが特徴。
筆者はマキタTM52Dを使い、合板・杉板・桧板・アカシア材などを切ってきました。
大きな板を切り分ける工具ではなく、丸のこが入りにくい場所や、最後に少しだけ逃がしたい部分を任せる使い方が中心です。
実機の使用感や重さ、デメリットまで確認したい方は、マキタTM52Dの実機レビューも参考にしてください。
マルチツールが向いている木材切断
マルチツールの得意な作業を先に知っておくと、丸のこやジグソーと迷わず使い分けられます。
板の途中から始める開口
マルチツールらしさを最も活かしやすいのが、板の途中へ作る開口です。
カットソーを切り線へ直接当てられるため、配線や部材を通す四角い穴を作りたい場面で役割があります。
四辺を一度に仕上げようとせず、一本ずつ切り線を確認しながら進めるのがポイント。
角へ近づいたら切りすぎないよう動きを止め、別方向から刃を入れ直すと範囲へ収めやすくなります。
端から入れる切り欠き
棚板や造作材の端をコの字に逃がすなら、端から切り線へ沿って刃を進めます。
柱や金具へ当たる部分だけを落としたい場面では、必要な範囲だけ切れるのが助かるところ♪
刃の向きを変えられる本体なら、周囲の部材へ本体が当たりにくい角度を探して固定しましょう。
長い直線切断には向かない
マルチツールは細かな開口や切り欠きに向く一方、長い直線を速く切る工具ではありません。
距離が長くなるほど切り線をまっすぐ保ちにくく、作業にも時間がかかります。
取扱説明書でも長い直線にはラウンドソーが推奨されているため、板を切り分けるならDIY向け丸のこおすすめを使いましょう。
曲線や板の中央から下穴を使って切り進めたい場合は、DIY向けジグソーおすすめも候補です。
ジグソーへ切り替える場合は、木工用ジグソー替刃のおすすめで、曲線や一般木工に合う刃も確認しておきましょう。
マルチツールで木材を切る前の準備
切断前に整えたいのは、材料の固定・切り線・替刃の3点です。
材料をクランプで固定する
木材が動く状態では、刃先を切り線へ合わせ続けるのが難しくなります。
まずは材料を安定した作業台へ置き、切断箇所から離れた位置をクランプで固定。
切り落とす部分の下に作業台や金具がないか、裏側まで確認しておくことも大切です。
切る範囲を線で囲む
開口や切り欠きの形を、鉛筆と差し金で材料へ描きます。
刃幅だけを見て進めるより、止める位置まで四辺を描いておく方が安心。
開口部へ入る部材が決まっている場合は、実物の寸法と切り線をもう一度照らし合わせてから切り始めましょう。
木材と本体に合う替刃を選ぶ
替刃選びでは、「木材を切れるか」と「本体へ取り付けられるか」を分けるのがポイント。
木材のポケット切断には木材用カットソー、釘や金属が混じる材料には対応表示のある木材&金属用ブレードが候補になります。
TM52DはSTARLOCK・STARLOCK PLUS・STARLOCK MAXに対応し、OIS規格は非対応です。
木材用替刃の例としては、硬い木材やコンパネのポケット切断へ対応する「 マキタ TMA053BIM(A-63856) 」が選択肢。
替刃を用途別に比べたい方は、マキタのマルチツール替刃の種類と選び方も確認してください。
図解のように、材料を固定して切る範囲を描き、木材と本体の両方に合う刃を選ぶところまでが切断前の準備です。
保護メガネを着用し、粉じんが多い作業では防じんマスクも用意してから本体を動かしましょう。
マルチツールで木材を開口する手順
準備ができたら、切り線の一本目から順に刃を入れていきます。
1. 刃の向きと切り始める位置を決める
本体を材料へ当てる前に、どの辺から切り始めるか決めます。
TM52Dは先端工具の向きを30度ごとに変えられるため、本体を両手で支えやすく、周囲へ当たりにくい方向を選びましょう。
替刃の交換や固定方法が分からない場合は、マキタのマルチツールの使い方と替刃交換で手順を確認できます。
2. 刃を切り線へ合わせて動かす
刃先を切り線へ合わせ、位置を確認してからスイッチを入れます。
TM52Dの切断作業では、振動数ダイヤル4~6が推奨範囲です。
最初から強く押し込まず、刃先が材料へ入る位置を確かめながら少しずつ進めましょう。
3. 動きが鈍くならない力で進める
刃の動きが鈍くならない程度の力で、本体を前へ送ります。
強く押しても早く切れるわけではなく、長いカットソーがたわんだり、本体の保護機能が働いたりすることも。
切粉がたまって進みにくくなったら、本体を少し引いて切粉を逃がします。
図解の3点を意識すると、刃先の位置を確認しながら開口を進めやすくなります。
切れ味が落ちた状態では力を加えやすくなるため、進み方が変わったら替刃の摩耗や用途も見直してください。
4. 角の手前で止めて別方向から切る
四角い開口では、角を越えて切りすぎないことが大切です。
一本目を角の手前で止めたら、本体の向きを変えて次の辺へ刃を入れます。
四辺を切り終えた後も木片が残る場合は、無理にこじらず、つながっている部分へもう一度刃を当てましょう。
作業直後の先端工具や切粉は熱くなっているため、冷めるまで素手で触らないでください。
マルチツールで木材を切り欠く方法
材料の端から切り欠く場合も、基本は開口と同じです。
切り欠く範囲を線で描き、端から一本目を入れ、角の手前で止めて別方向から切ります。
コの字形に落とすときは、切り落とす木片が急に動く位置へ手を置かず、落下先を空けてから最後の一辺を切りましょう。
本体が柱や壁へ当たる場合は、替刃の取り付け角度を変え、無理のない姿勢で切り線へ合わせましょう。
合板・杉板・桧板・アカシア材を切るときの考え方
筆者はTM52Dで、合板・杉板・桧板・アカシア材などを切ってきました。
どの木材でも共通するのは、本体の力だけで押し進めず、刃の状態と切粉を確認しながら送ることです。
合板は表面の切り線を確認する
合板は層が重なった材料なので、刃先だけでなく表面の切り線を見ながら進めます。
一気に角まで押し込まず、数回に分けて深さを増やすと、止める位置を確認しやすくなります。
杉板・桧板も材料を固定して進める
杉板や桧板でも、材料が動けば刃先は安定しません。
樹種の印象だけで力加減を決めず、クランプで固定し、実際の進み方に合わせて本体を送りましょう。
アカシア材は切粉を逃がしながら進める
硬さを感じる材料では、押し付ける力を増やすより、切粉を逃がして刃の動きを保つことが大切です。
進みにくくなったら本体を戻し、替刃の摩耗や対応材料も確認してください。
マルチツールで木材が切れないときの原因
「本体は動いているのに進まない」ときは、力を足す前に次の項目を確認しましょう。
- 替刃の用途が違う: 木材用または木材対応の表示があるか確認する
- 替刃が摩耗している: 刃先が丸くなったり欠けたりしていないか確認する
- 押し付けすぎている: 刃の振動が鈍くならないところまで力を抜く
- 切粉がたまっている: 本体を少し戻して切粉を逃がす
- 材料が動いている: スイッチを切り、クランプ位置を見直す
- 長い直線を切ろうとしている: 丸のこやジグソーへ切り替える
無理に押し続けると、刃のたわみや本体停止につながります。
一度スイッチを切り、バッテリーを抜いてから替刃と材料の状態を確認しましょう。
マルチツールで木材を切断するときのよくある質問
マルチツールだけで四角い開口を作れますか?
木材用カットソーを使い、四辺を一本ずつ切れば四角い開口を作れます。
角を越えて切りすぎないよう、各辺を手前で止めて方向を変えるのがポイントです。
木材をまっすぐ長く切れますか?
短い切り欠きには使えますが、長い直線切断には向きません。
板を切り分けるなら丸のこ、下穴から曲線や長めの切断を進めるならジグソーを使う方が役割に合います。
木材用ならどの替刃でもTM52Dに付きますか?
木材用という用途だけでなく、取り付け規格も一致する必要があります。
TM52DはSTARLOCK・STARLOCK PLUS・STARLOCK MAXに対応し、OIS規格には対応していません。
本体を強く押した方が早く切れますか?
強く押しても、早く切れるわけではありません。
刃の動きが鈍くならない力で進め、切粉がたまったら少し引く方が安定します。
TM52Dは木材の開口に向いていますか?
筆者はTM52Dを木材の開口で多く使っています。
STARLOCK MAX対応やAVT低振動機構を備え、細かな位置へ刃を合わせたい作業で役割を作りやすい1台。
マキタの「 充電式マルチツール TM52DZ 」は、マキタ18Vバッテリーを活かし、木材の開口や切り欠きへ使う本体を選びたい方におすすめです♪
マルチツールで木材を切断する方法:まとめ
この記事は「マルチツールで木材を切断する方法!開口・切り欠きのコツを実機解説」について書きました。
マルチツールは、板の途中から始める開口、端の切り欠き、丸のこが入らない細部の調整へ役割を絞ると活かしやすい工具。
切断前は材料を固定し、切る範囲を線で描き、木材と本体規格の両方に合う替刃を選びましょう。
切断中は、刃を切り線へ合わせ、強く押し込まず、切粉を逃がしながら少しずつ進めるのがポイント♪
迷ったときは、短い開口・切り欠きならマルチツール、長い直線なら丸のこ、曲線や下穴からの切断ならジグソーと使い分けると分かりやすいです。
今回ご紹介した準備と切り方を参考に、まずは端材で刃の進み方を確かめてみてください。
材料をしっかり固定して、狙った開口や切り欠きを少しずつ形にしていきましょう♪
参考にしたメーカー資料
木材の種類、開口・切り欠きの用途に関する体験は、筆者が所有するTM52Dを木工作業で使った範囲からまとめています。