棚やテーブルを作るとき、大きな板を切り分けたり、部材の長さをそろえたりするのに役立つのが、丸ノコやスライド丸ノコ。
どちらも木材を切る工具ですが、得意な作業や必要な設置スペースには違いがあります。
でも、いざ探してみると「自分の作業にはどっちが合う?」「最初から両方そろえる必要はある?」と迷いますよね。
切りたい板の大きさを考えずに選ぶと、天板が切断範囲に収まらなかったり、工具を広げる場所に困ったりすることも。
そこでこの記事では、筆者が使っている手持ち丸ノコの HiKOKI FC6MA3 と卓上スライド丸ノコの 京セラATSS192 を例に、木工DIYでの違いと選び方を解説します。
この記事を読めば、作りたい家具と作業場所に合わせて、最初に買う1台を決めやすくなりますよ♪
というわけでこの記事は、「丸ノコとスライド丸ノコはどっち?木工DIYで使い分けた選び方」について書きました。
この記事がおすすめな人
- 棚やテーブルを作るために、最初の切断工具を選びたい方
- 大きな板と角材を、どちらの工具で切るか迷っている方
- スライド丸ノコを買い足す価値があるか考えたい方
先に結論:大きな板を切り分けるなら丸ノコ、部材の長さをそろえるならスライド丸ノコ
天板や合板を必要な大きさに切り分けたいなら、まず候補にしたいのが手持ち丸ノコです。
材料の上で工具を進めるため、卓上機の切断幅に収まらない大きな板も、適切に支えて切断できます。
一方、棚の枠材などを同じ長さに切りそろえる作業が多いなら、スライド丸ノコが便利ですよ♪
切断能力に収まる材料を台とフェンスに当て、決めた角度で繰り返し切れるのが特徴です。
| 作りたいもの・作業 | 最初に検討する工具 | 購入前に見るところ |
|---|---|---|
| 大きな天板・合板の切り分け | 手持ち丸ノコ | 切込み深さ、ガイド、板を支える場所 |
| 棚の枠材などの同寸切り | スライド丸ノコ | 材料の高さと幅、長材の支持 |
| 枠などの角度切りを繰り返す | スライド丸ノコ | 回転・傾斜の方向と切断能力 |
| 収納をコンパクトにしたい | 手持ち丸ノコから検討 | 本体収納と、使用時の作業場所 |
迷ったら「一番よく切る材料」を先に決めましょう。
大きな板から家具を作るのか、細長い部材をそろえて組み立てるのかで、必要な工具が変わります。
筆者がFC6MA3とATSS192で切っている材料
FC6MA3は、約15mmのヒノキ材・アカシア材でテーブルを作るときに使う
筆者は HiKOKI FC6MA3 を、主に木工品の切断に使っています。
よく作るのは、厚さ約15mmのヒノキ材やアカシア材を使ったテーブルです。
木工品を切るときにパワーがあり、使いやすいと感じています♪
ただし、この感想は筆者が使う材料と作業でのものです。
厚い角材の切断能力や切り口の精度を、他の工具と同じ条件で測定した比較ではありません。
テーブル用に大きな板を切り分けたい方は、工具の力だけでなく、ガイドを置く幅と材料の支持まで含めて準備しましょう。
ATSS192は、同じ長さの木材をそろえる作業で便利
京セラATSS192 では、ヒノキ・杉を中心に、アカシア材や合板も切ってきました。
以前使っていた卓上丸ノコが壊れたため、少し幅のある材料にも対応したいと思い、スライド式を選びました。
使っていて便利なのは、同じ長さの木材をそろえる作業です♪
角度切りでは目盛りを合わせて使い、レーザーも最初に位置を設定してから切断の目安にしています。
気になる点は、スライドする分だけ設置に奥行きが必要なこと。
切れる材料だけでなく、作業場に広げられるかも購入判断に入れたいところです。
筆者の各機種での使用感を詳しく知りたい方は、FC6MA3の実機レビューとATSS192の実機レビューも参考にしてください。
丸ノコとスライド丸ノコの違いを、5つの順番で比べる
切りたい板の幅と、切る方向を確認する
最初に考えたいのが、材料をどの方向へ切るか。
大きな合板を細い板に切り分けたり、天板の長い辺に沿って切ったりするなら、手持ち丸ノコが候補になります。
スライド丸ノコは、台に置いた材料を横方向に切り、長さを詰める作業が中心です。
スライドできても、切断する幅には上限がありますよ。
例えば幅の広い天板をそのまま載せたいときは、刃の直径より先に「最大切断寸法」を確認しましょう。
- 手持ち丸ノコ:材料の厚さと最大切込み深さを照合
- スライド丸ノコ:材料の高さ・切断する幅を、同じ角度条件の能力表と照合
この2つの数値は、示している内容が違います。
厚さは切込み深さ、幅は卓上機の切断寸法と、それぞれ対応する項目で照合しましょう。
同じ長さの部材を、何本切るか考える
枠材や脚など同寸の部材を何本も作るなら、寸法合わせの繰り返しを考えると選びやすくなります。
手持ち丸ノコでも、墨線とガイドを使って長さをそろえる切断は可能です。
毎回のガイド位置と材料の固定が、仕上がりをそろえるポイントですよ♪
スライド丸ノコでは、材料をフェンスに当てて位置を合わせ、同じ角度で繰り返し切れます。
筆者が同寸切りで便利に感じているのも、この用途です。
ただ、工具を置くだけで長さが自動的にそろうわけではありません。
墨線のどちら側を残すか、刃で削られる幅をどう見込むかまでそろえて、試し切りで寸法を確かめましょう。
設置場所は、本体寸法と長い材料の両方から決める
スライド丸ノコを選ぶときは、本体が台に載るかに加えて、前後の動きと左右の材料支持も確認してください。
筆者もATSS192の使い勝手には満足していますが、設置の奥行きは気にしている点です。
長い材料が台の外へ出るときは、水平を保って支えられる場所も必要になります。
図は作業場所を考えるイメージで、実際の切断配置や固定方法は使用機種の説明書に合わせましょう。
手持ち丸ノコは本体を小さく収納できますが、使うときは板と切り落とす側を適切に支える作業場所が必要です。
収納の小ささと、切断時に必要な広さは分けて考えてください。
角度切りは、回転と傾斜を分けて確認する
額縁のように部材の端を斜めに切る加工と、板の厚み方向へ刃を傾ける加工は、工具の設定が異なります。
スライド丸ノコでは、台の回転と刃の傾斜をそれぞれ確認するのが基本です。
手持ち丸ノコにも刃を傾ける機能がある機種がありますが、部材の端を斜めに切るには、その方向へ進めるガイドや墨線も必要になります。
角度切りを繰り返すなら、角度を設定した台に材料を当てられる卓上機が候補です。
筆者もATSS192では目盛りを合わせて角度切りをしています。
レーザーは位置合わせの目安として使い、試し切りで切断線と仕上がりを確かめましょう。
本体価格に、支持・固定・集じんの準備も足して考える
購入予算は、工具本体だけで決めないのがおすすめ。
手持ち丸ノコならガイドとクランプ、卓上機なら設置台と長材の支持を、手元にあるものから確認しましょう。
- 手持ち丸ノコ:作業台、ガイド、固定具、材料を支えるもの
- スライド丸ノコ:安定した設置台、本体の固定、長材の支持、付属クランプ
- 両方共通:保護メガネ、材料と作業に合う刃、粉じんへの対策
集じん機につなぐ場合は、ダクトやホースの接続条件も機種ごとに確認してください。
集じん袋が付いていても、周囲への粉じん対策は必要です。
手持ち丸ノコの道具を一緒にそろえる方は、ガイド定規の選び方と丸ノコ用集じんの準備も参考になりますよ♪
筆者が使っている2台を、購入条件から選ぶ
それでは、手持ち丸ノコとスライド丸ノコの候補を紹介していきます。
HiKOKI FC6MA3:板材の切り分けを中心にする方へ
手持ち丸ノコの候補は、 HiKOKI FC6MA3 です。
165mm刃とアルミベースを採用した、単相100Vのコード式丸ノコ。
直角時の最大切込み深さは57mm、45°に傾けたときは38mmで、斜めに切ると対応する厚さが変わります。
筆者がよく使う約15mmの板材は、この直角時の切込み範囲に収まっています♪
標準でチップソー・ガイド・六角棒スパナが付属するため、購入後は作業台や固定具、電源までの経路を準備しましょう。
集じん機へ接続するダクトアダプタは別売です。
使いたい集じん機のホースまで含めて、接続部品を確認してください。
大きな板を扱う場面が多いなら、 FC6MA3 のような手持ち丸ノコと、材料を支える準備から始めるのがおすすめですよ♪
京セラATSS192:同寸切りや角度切りを繰り返す方へ
卓上スライド丸ノコの候補は、 京セラATSS192 です。
190mm刃とレーザーマーカーを備えた、単相100Vの卓上機です。
台を正面に合わせて刃を直角にした条件で、最大切断寸法は高さ51×幅220mmとなっています。
台を左右45°へ回して直角の刃で切る場合は、切れる幅が変わります。
この条件では高さ51×幅152mmになるため、斜めに切る材料はその寸法と照合しましょう。
能力上限に近い高さの材料は、説明書の「厚さのある(高さの高い)材料の切断」で、下限位置調整や当て板の条件も確認してください。
本体寸法は次の通りで、置き場所を具体的に考えたい大きさです。
- 長さ:750mm
- 幅:420mm
- 高さ:480mm
作業時にはスライドの動きと、左右に出る材料の支持も含めて場所を確保してください。
標準付属品はチップソー、集じん袋、スパナ、締付ハンドル、クランプです。
筆者が気に入っている同寸切りや角度切りを増やしたい方は、 ATSS192 を候補にしてみてください♪
切りたい幅が能力内に収まり、設置場所を確保できるかが選ぶポイントです。
他の卓上機も比べたい方は、スライド丸ノコのおすすめと選び方で候補を広げられます。
購入前によくある疑問
初心者は、どちらが安全ですか?
どちらも回転する刃を使う工具なので、工具の種類だけで安全性を決めず、材料の支持と固定を含めて選びましょう。
手持ち丸ノコは刃が材料に挟まれるとキックバックが起きるおそれがあり、卓上機も材料の固定と手を置く位置への注意が必要です。
調整や刃の交換では電源プラグを抜き、保護カバーを正しく使い、使用機種の取扱説明書に沿って作業してください。
手持ち丸ノコの準備を具体的に確認したい方は、まっすぐ切る準備とキックバック対策も参考にできます。
最初から両方買う必要はありますか?
まずは、作るものに出番の多い1台と、その工具を使うための準備から始めましょう。
大きな板を切る作業が中心なら手持ち丸ノコ、同寸の枠材を作る作業が中心ならスライド丸ノコを検討してください。
「同じ長さの部材を何度も切るようになった」など、今の道具で手間がかかる場面が分かると、2台目の役割を決めやすくなります。
スライド丸ノコで、大きな合板も切れますか?
合板という材質だけでなく、切断する部分の高さと幅が機種の能力内に収まるかで判断します。
板全体を長く切り分けたいなら、材料を支え、ガイドを使って進める手持ち丸ノコが候補ですよ。
大きな板を裏返したり、切断方向を変えたりして能力外の材料を無理に切る方法は避け、必要寸法に対応する工具や販売店のカットサービスを選んでください。
丸ノコとスライド丸ノコの選び方:まとめ
この記事は「丸ノコとスライド丸ノコはどっち?木工DIYで使い分けた選び方」について書きました。
最初に決めたいのは、切る板の大きさと、同じ寸法の部材を作る回数です。
天板や合板の切り分けには手持ち丸ノコ、能力内の部材を同寸・同角度でそろえるならスライド丸ノコが候補になります♪
筆者はFC6MA3でのテーブル制作に力強さを感じ、ATSS192では同じ長さの木材を切る便利さを気に入っています。
工具本体に加えて、材料の支持・固定と収納場所も一緒に考えてみてください。
準備の整った1台で、木工DIYを楽しみましょう♪
参考にしたメーカー資料
- HiKOKI FC6MA3/FC7MA3の製品仕様:FC6MA3列の切込み深さ、刃径、標準付属品。
- HiKOKI FC6MA3の取扱説明書:材料の支持、キックバック、調整と安全上の注意。
- 京セラ ATSS192の製品仕様:角度条件ごとの最大切断寸法、本体寸法、付属品。
- 京セラ ATSS192の取扱説明書:本体の設置、材料の固定、長材の支持、角度とレーザーの調整、冊子20頁の厚い材料の切断条件。